自分史・家族史は「冒険者たち」

星がいちめん風に吹き飛ばされそうに瞬いています。亡くなったあの人も、あの中にいるのでしょうか。
この世に生まれ、死んで行く。私たちは、いのちに終わりがあるということに対し多くの感情で千々に乱れます。死が意味する本当のところを、私たちは理解できないのです。

しかし考えてみれば、この世に生まれて来た本来の目的を私たちは知りません。ものごとの始まりを知らないのです。
きっと私たちは大きな物語の一部なのでしょう。未来へむかう流れの中で、私たちもまた終わりなき旅の途上にいる。
その中で出会えた、よろこび、悲しみ、感謝。それはちょうど、花が風に舞うように単純なこと。消えていくことの中に、私たちの生きる幸せもあるのです。

共に生き、共に悩み、そして再び永遠の次元に還っていく私たち。
二つの世界の交差点でめぐり会った生命は、またどこかで出会うのかもしれません。
だからこそ、物語を続けて行こうではありませんか。思い出をたどることで、私たちの歩みもまた星や草木のように、ひそやかな光を放ち続けるのですから。

二度と会えないということも、また奇跡なのです。